NIMRA 2004年の研究会

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2004年総会

日 時:1月21日 19:00〜21:00
場 所:リビエール(栄)
内 容:
 2003年決算、2004年役員人事、2004年事業計画について審議し承認を得た。
 会長:阿竹 克人

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2004年2月例会

日 時:2月25日 19:00〜21:00
場 所:大名古屋ビル8階 IC Nagoya
テーマ:「愛知県下の外国人犯罪の状況について」
講 師:折小野 裕之 氏(愛知県警 中警察署 警備課長、警視)
内 容:
 講師は在ロシア日本大使館に平成10年から3年間勤務、その間に中央アジアで起きた日本人社員誘拐事件の解決のために現地へ飛び、情報収集の他、トランク詰めの現金をモスクワから輸送した経験の持ち主でした。ダッカ赤軍事件以来、日本人は脅せばお金を出すという前例を作ってしまったことが、海外での誘拐事件を繰り返させている、と指摘されました。
 本題である、愛知県の外国人犯罪の実態等の話(自動車の盗難発生日本一)は車の所有もさることながら、道路事情の良い事が、災いしているなどが話されました。
 水と安全はタダと言われた日本も、そろそろ、その対価を支払う状況になったし、警察はその昔、盗賊などから村人、町衆が身を守る為にお金を払って用心棒を雇ったのが、始まりと言う治安問題からスパイ天国日本において産業スパイを取り締まれない事など幅広いお話でした。
(文責:SM)

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2004年3月例会

日 時:3月24日 19:00〜21:00
場 所:大名古屋ビル14階 会議室
テーマ:「ツェッペリンNT事業とその日本回航について」
講 師:渡邊 裕之 氏(株式会社日本飛行船 代表取締役社長)
内 容:
 かつて合成繊維もプラスティックもコンピュータもない時代に、飛行船はれっきとした定期航路を飛ぶ交通手段であった。新大陸とヨーロッパを結ぶ航路で一万人以上、ドイツの国内線をいれると、のべ6万人以上の人を運んでいる。
 一般に交通手段では速度とエネルギー効率は反比例し、飛行機は高速だが燃費の悪い乗り物で、船は逆に低速で燃費の良い乗り物である。飛行船はその中間を埋める乗り物で、ちょうど地上の風景を楽しめる高度と速度で、各寄港地でイベントを交えて二週間程度で世界一周旅行が企画できる。客船の世界一周クルーズは約二ヶ月かかるが、客船と同じように個室でベッドで眠り、エコノミークラス症候群も時差ぼけもない世界旅行が、二週間で手軽にできるなら大きな市場規模が見込める。
 かつての旅客飛行船の時代はヒンデンブルグ号の爆発事故で幕を閉じたが、事故原因は最近になって酸化しやすい塗料にあったと考えられている。現在、コンピュータと複合素材と可変プロペラを備えた不活性ガスのヘリウムによる飛行船の再構築が進んでおり、今度日本飛行船で購入にこぎつけたツェッペリンNT(ニュー・テクノロジー)はその先駆けである。これははまだ14人乗りであるが、次の段階で大型バスくらいの定員の船を実現し、近い将来ヒンデンブルグの復刻版のような大型旅客飛行船を新しいテクノロジーで実現し、世界一周クルーズを企画するのが目標であり、皆様のご支援をお願いします。
といった熱意あふれるお話でした。
(文責:KA)

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2004年5月例会

日 時:5月19日 19:00〜21:00
場 所:矢作建設工業本社 会議室
テーマ:「異なるみどり・・・文化としての緑化」
講 師:澤田 晴委智郎 氏(株式会社澤田造景研究所 代表取締役所長)
内 容:
 タイトルは、戦国武将で茶人として知られる古田織部の作庭術からとられており、趣味が統一されている庭に蘇鉄など異なるものを加えることで、文化としての奥行きと広がりを持たせることができるという。これは作庭術にとどまらず文化のすべての面に当てはまる。
 織部焼きのみどりも緑化と深いつながりがあり、作庭術は日本文化の歴史と深くかかわっているという。異なるものとして外来を取り込むことと並んで、自然に人工を加える異なるものの軸がある。織部の弟子にあたる小堀遠州がデザインしたといわれる桂離宮など、歴史的な庭は木の刈り込みがあまりされていない。日本庭園の特徴とも言われる木の造形的刈り込みが行われたのは意外に新しく江戸中期からである。刈り込み方には今でも地域差があり、伊勢と名古屋でも差がある。西洋でも人工的なフレンチガーデンに対して自然の美といわれるのがイングリッシュガーデンだが、良いものは外来として取り入れたフランスに多い。
 最近の造園は外来種の植物を使うことが多いが、日本の伝統的景観を形成する植樹のように言われる松も実は外来植物で、縄文時代には無かったらしい。芝生の芝にも流行があり一時は外来種のティフトンなどが流行ったが、最近は日本種にもどりつつある、芝は盆栽のようにイネ科の植物を人工的に矮生化したものででたまに先祖帰りをして穂を出したりする。造園品種は矮生化したものが多く、刈り込みすぎると先祖帰りをよく起こす。
 稲といえば傾斜地を水田にする棚田は貧しい山村の象徴のように言われ、そこまでしないと食料を確保できなかったのかというとそうではなく、実は棚田の米は味がよいという文化的側面があった。
 質疑応答では、庭の樹木はどこまで手を入れどこまで自然にすべきかというコーポラティブ住民の対立や、みどりが児童の情操教育によいにもかかわらず、最近の学校では管理の問題から緑化に消極的であるといった問題について、議論が深まりました。
(文責:KA)

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2004年6月例会

日 時:6月16日 19:00〜21:00
場 所:矢作建設工業本社 会議室
テーマ:「わが国における地震対策推進の一断面」
講 師:成田 進 氏(株式会社ピタコラム 取締役 経営企画部長)
内 容:
 講師の勤務する(株)ピタコラムは昨年6月に設立された矢作建設全額出資の子会社であり、「ピタコラム」とは、矢作建設が開発した完全外付耐震補強工法の名称である。成田氏は建築技術者として本工法の開発から現在の営業普及段階まで全て携わっている地震対策技術のエキスパートである。当日は、地震発生のメカニズム、耐震規定の推移、耐震診断の仕組み、耐震と制震免震の違い、民間各社が独自工法を開発展開している事などについて詳細に分かりやすく説明して頂いた。又、地震対策への関心度や進捗度が、関東圏と比較して中部から九州へと西に行くにつれて薄れていくことや、民間企業でも相当のバラツキがあること、また、建物内部に入る必要のない外付工法は特に警察で積極的に採用されていること、昨今は公共部門でもコストダウンに対する評価が高まっていること、公共工事と特許権の関係など、実務者ならではのお話を沢山伺いました。
(文責:NS)

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2004年7月例会

日 時:7月21日 19:00〜21:00
場 所:矢作建設工業本社 会議室
テーマ:「高齢時代の新しいケアのある暮らし方」
講 師:中 祐一郎 氏(名古屋女子大学 家政学部教授)
内 容:
 スライド写真を用いて、グループホームの生き生きとした日常の暮らしを紹介して頂きました。また、愛知県長久手町の「ぼちぼち長屋」での新しいケアの試みや、講師が基本計画された三重県伊賀上野市の高齢者向け優良賃貸住宅制度を利用した事例も説明して頂きました。
(文責:YH)

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2004年10月例会

日 時:10月27日 19:00〜21:00
場 所:矢作建設工業本社 会議室
テーマ:「聴いても面白くない話 〜NPO活動とデザインマネジメント〜」
講 師:鶴岡 朗 氏(npoボランティアチームジャパン プロデューサー)
内 容:
●npoボランティアチームジャパンについて
 環境・福祉・教育をキーワードにした民間非営利組織です。自己犠牲を含んだ奉仕活動ではなく、自らの目的のために、自ら進んで行動することをボランティアと定義。スタッフは全国・シンガポールを含めて35人います。メンバーは、すべてデザイナー。鶴岡さん自身も、デザイン事務所「Lan design」の代表をしています。
「npoボランティアチームジャパン」のコンセプト
  最近、青空や夕日を見てますか?
  きれいな川や海で泳いでますか?
  楽しく食事していますか?
  大声で笑っていますか?

●ユニバーサルデザインを先取りした、先進事例。
 少し前は民間非営利組織というと、行政も企業も相手にしない時期がありました。しかし、今は民間非営利組織との連携をのぞみ、実際に活動をしている行政や企業はたくさんあります。その流れを先取りし、1990年頃から、新しい試みを始めています。
 一例として1992年の福祉事例について、ご紹介いただきました。テーマは「盲導犬と車いすと旅をする」。その時の様子をまとめたビデオを見た後に、詳しくご説明いただきました。主な内容は、ユニバーサルデザインという言葉が一般的に認知されていない頃に、身体障害者の方が諦めていたことを実際に体験するツアーです。鉄道会社に掛け合って、車いすの方でも快適に電車に乗れるように手配するなど、事前の準備からご苦労されたそうです。旅の内容は、健常者には簡単にできることばかりです。しかし身体障害者の方には不可能だと思っていたことばかりです大自然の中で、トレッキングをしたり、馬に乗ったり、野菜を取ったり、バイクにのったり、ホテルに泊まったり、街中のレストランで食事をしたり…。自主的に参加した多くのスタッフとともに、多くのことが可能になり、身体障害者の方々に新たな勇気を与えたそうです。
 これから民間非営利組織に求められるのは、専門性です。アメリカ等では当たり前のことですが、日本ではようやくその事が認知し始めました。それをいち早く察知して、上記の福祉事例以外にも、多くの活動をされています。

●主な活動事例
 「船橋市自遊人協会」CI導入による民間非営利組織を新設
 「さだまさしコンサート」企画運営
 「岡田修 津軽三味線・三遊亭楽麻呂チャリティーライブ」
 「アウトドアファミリーフェア」
 「ザ・ジャパンファミリーキャンプフェステイバル」
 「パークセンター風車まつり2001春・秋」
 「麺類業環境衛生同業組合」盲導犬受入宣言
 「WWF世界自然保護基金日本委員会」トラの保護活動キャンペーン
 「日本で初めてのワープロ教室」公民館市民講座運営
 「夢プラン98」(国営公園でのイベント)入選・企画運営実施
 「社会福祉・医療事業団」(高齢者・障害者福祉基金)の助成事業
 「国営昭和記念公園」スタッフユニフォーム
 「ベルクソン」(地域限定情報誌)行政とパートナーシップによる編集発行
 「国営木曽三川公園アクアワールド水郷パークセンター」ロゴフェイス
 「オリエンテーリング世界選手権2005」シンボルマークデザイン
 「大府市社会福祉協議会」ボランティアセンター ロゴフェイス

(文責:SY)

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2004年緑蔭講座

日 時:11月20日
場 所:中山道 奈良井宿 ならい会館 (長野県楢川村)
テーマ:「楢川村の歴史的資産を活用したまちづくりの実際と課題について」
講 師:石井 健郎 氏(楢川村町並み文化整備課)
内 容:
 11月20日宿泊先の伊勢屋の前に集合し、講師の石井氏の先導で、歴史的景観整備前の奈良井の状況に近いということで、まず漆器の産地として有名な平沢地区を案内して頂きました。保存状況の良い民家や有名出身者の自宅を訪ねた後、大谷石の倉庫がある漆器店に伺った、美智子妃と同世代という美人のお上から、お嫁入りしたばかりの昭和三十年代の最盛期の平沢の漆器生産の模様から今に至る半生記を30分以上にわたって生き生きと語って頂きました。予定を超過しつつ奈良井宿に戻り、宿場の町並みと建築の特徴を案内して頂きました。歴史的町並み保存の運動の原点はこの奈良井の資料館となった民家の保存から始まっているとのことでした。
 その後、奈良井会館でスライドを使って石井講師に講演を頂きました。景観法という戦後初めての二文字法もでき、町並み保存の意義が理解されてきたこと。実は塩尻市のベッドタウン的な性格が強く、この四月には町村合併するが、塩尻市にもいろいろと歴史的遺産が多いので、石井氏の活躍の場が広がることも期待できそうとのことでした。奈良井も江戸時代には平沢に負けない漆器産地だったのが、主としてみやげ物としての櫛などを作っていたので、和装の衰退とともに衰えたのに対し、平沢では旅館の膳などに始まってひとつの旅館すべての食器等を手がけるビジネスにしたために戦後の高度成長とともに栄え、それにともなって歴史的町並みも破壊されていったのが、奈良井の成功を見て平沢地区でも町並み保存の機運が高まってきているとのことでした。明治に入っても鉄道が開通するまでは交通大系に変化はなく、宿場としては栄えたそうです。
 翌日は、木曾の大橋や奈良井の漆器店を回り、贄川の関所跡資料館を見学、再び平沢に戻って漆器作家の方にお話を伺うことができ、大変充実した二日間でした。
(文責:KA)

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2004年12月例会

日 時:12月8日 19:00〜21:00
場 所:大名古屋ビル8階 IC Nagoya
内 容:情報交換市
 忘年会を兼ねて、会員が持ち寄った情報を交換する情報交換市を行いました。

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