NIMRA 2003年の研究会

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2003年総会

日 時:2月12日 19:00〜21:00
場 所:リビエール(栄)
内 容:
 2002年決算、2003年役員人事、2003年事業計画について審議し承認を得た。
 会長:阿竹 克人

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2003年3月例会

日 時:3月20日 19:00〜21:00
場 所:永田ビル1階 IC Nagoya
テーマ:「東海・東南海地震、起きたらどうする!」
講 師:松田 敦 氏(愛知県防災局防災課 主査 啓発・育成グループ)
講師プロフィール:
  1960年名古屋市生まれ。1984年愛知県庁入庁、国体局、医務課、芸文センターなどを経て2000年度から防災局防災課勤務。2000年9月の東海豪雨災害では、県庁内の広域ボランティア支援本部でボランティアと協働。2002年度から「あいち防災カレッジ」を担当。地域の防災リーダー育成、県民の防災意識向上に努めている。
内 容:
--地震は必ず起きる。日頃の心構えが大切。
  活断層による地震は千年万年の単位で起きるが、海溝型は100〜150年単位で起きている。東海・東南海地震はゆったりした揺れになる。地震の空白域はここ20年地震が起きておらず、東海・東南海地震が一度に起きる可能性も指摘されている。三日分の食料と水は備蓄しておく。
--H14年4月24日に地震防災対策強化地域が58市町村に拡大された。
  H13年の中央防災会議で、東海地震の想定震源域が50qほど愛知県寄りに修正されたことによる。強化地域の指定は、総理大臣が知事に意見を求め、知事は市町村長に意見を求めて決められる。警戒宣言は(異常データの把握)→(判定会の召集)→(警戒宣言の発令)の順で発令されるが、地震は警戒宣言が発令されなくとも発生する。全ての住人が避難しなければならないわけではない。
--被害想定(強化地域全域)
  倒壊:46万棟、死者:1万人
  経済損失:31兆円(予知あり)〜37兆円(予知なし)
--日頃の備え
・「自らの身は自らが守る」→耐震診断を受け補強を図る。
・地域のコミュニティの有無が生死をわける。消防・自衛隊が救助するより近所の人が救助するケースが圧倒的に多い。防災ベッドなるものもある。
--県の対策
  情報通信の確保(高度情報通信ネットワークの整備)
  初動体制(幹部職員の公舎居住)
  活断層調査
  防災ボランティアの支援
--アクションプランとは?
  アクションプランとは、県が5年間に何をやるかを明示したもの。地震の発生は不可避でも震災は軽減できる。三つの目標(防災協働社会の形成、防災型まちづくりの推進、災害対策活動への備え)それぞれの目標のなかに3〜4の事業を組み入れそれぞれに数値目標を設定した。
・防災カレッジを開催し12日間の講習で「あいち防災リーダー」を5年間で1250人、防災ボランティアコーディネーターを5年間で1000人養成する。
・自主防災組織の組織率は94.9%と高率だが活動内容のばらつきが大きい。
・H15年度は、防災局の組織拡充、地震防災条例の制定、図上訓練の実施、広域的防災拠点の整備、20万人と見られる帰宅困難者の対策、市町村補助の拡充に取り組む。

  東海豪雨では偽ボランティアが出現したとか、ボランティアが大勢来過ぎて苦情が出たとか、ボランティアとの協働の実体験のお話は大変興味深いものでした。携帯電話のストラップにホイッスルをつけていたのが印象的でした。
(文責:KH)

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2003年4月例会

日 時:4月23日 19:00〜21:00
場 所:大名古屋ビル3階 IC Nagoya
テーマ:「人類は高校生 および 空間充填四面体トラス」
講 師:阿竹 克人 氏(阿竹空間設計研究所 所長、NIMRA会員)
内 容:
  昨年伊勢高校の文化祭に招かれて好評だった阿竹史観と、今年出願した阿竹構造体の特許の話を講演頂きました。
1.阿竹史観
  もし世界がたった一人の人だったら、体重は63Kg、年齢は17歳。ただし16歳の時は16キロしかなく、15歳のときは10キロしかない超未熟児だった。このままだと18歳で体重150キロの超肥満児。かわいそ過ぎる。
2.空間充填四面体トラス
  三角形が3辺の長さを固定すると形状が一義的に決まるのと同様に、3次元空間では四面体の4面の寸法を固定すると立体形状が一義的に決まるので、四面体を充填したトラス構造は構造強度が高い。隣接する面寸法が同じ四面体を並ベるルールによって空間を充填できる。14方向に柱梁を連結するヒンジ構造を用いて実際の建築物に適用した。
(文責:KA)
http://www.atake-sdl.com/
http://www.asahinet.or.jp/~tg5k-atk/
http://homepage1.nifty.com/atake/

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2003年7月例会

日 時:7月16日 19:00〜21:00
場 所:大名古屋ビル3階 IC Nagoya
テーマ:「『あいちのグループホーム』の調査活動報告、人と環境にやさしい住まいづくり」
講 師:畠山 順嘉 氏(畠山都市建築事務所 代表、NIMRA会員)
内 容:
  1980年代にスウエーデンで痴呆性高齢者ケアの切り札として生まれたグループホーム(以下、G・Hと略)は、わが国では97年度に「痴呆対応型老人共同生活援助事業」として制度化され、2004年までに全国で3200ヶ所の整備が見込まれ、愛知県下でも急増しつつある。そのような状況のなかで、4年前から「あいちのG・H」の現状調査を市民ボランティアグループのメンバーと協同で行い、毎年G・Hの利用者等に役立つ情報誌「あいちのG・H」を発刊してきた。アンケート回収はもちろん、現地取材で生の声を反映させるよう心掛けている。愛知県図書館や名古屋中央図書館からも冊子の購入依頼があり、社会的認知度もあがってきたので、資金的なことなど課題もあるが継続していきたい。
  一方、本業である建築設計では、最近、傾斜地での住宅設計事例が増え、「自然を生かした住まいづくり」が課題になってきた。具体的には「樹木をなるべく残しながら、傾斜地を生かして木と自然素材でつくる家」という建築主の要望を素直に形にした住まいの事例を、豊富なスライド写真で説明した。
(文責:YH)

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2003年 緑蔭講座

日 時:9月13日 19:30〜21:00
場 所:国民宿舎 関ロッジ(三重県関町)
テーマ:「関宿の町並み保存について」
講 師:嶋村 明彦 氏(関長教育委員会)
内 容:
  講演に先立ち、台風の日本海通過による猛暑の中、ボランティアガイドのおじいさんに関宿の町並みと、旅籠玉屋、資料館などを案内して頂いた。関宿は東海道の往時の面影を唯一残す歴史的町並みとして昭和59年、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、東の追分、西の追分の間約1.8Km25haの地区400戸の保存修復を、国の補助金をうけて行ってきた。講師の嶋村氏は千葉大学の建築学科を出られて、文化庁の推薦で各地の自治体職員として歴史的建造物の保存修復に携わってこられ、関町においても、住民相談、予算の獲得から図面の作成まで修復の指導の中心的役割を担っている。
  当日はパワーポイントの豊富な資料による関の町並みの解説、一円玉の大きさをめぐる日常的な認識のずれなど有意義で興味深いお話を伺った。地蔵寺の門前町をもとに幕府の政策により各地の集落が集められた関宿の成立から、修復と耐震設計の兼ね合いなどつっこんだ質疑が時間いっぱい交わされた。翌日は朝から、再び歴史的町並みを隅々まで探索したグループが多かった。原初的都市の成立を考える上で興味深い一日であった。
(文責:KA)

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2003年9月例会

日 時:9月17日 19:00〜21:00
場 所:矢作建設工業本社 会議室
テーマ:「ゲノム時代の生命科学」「働き者のナノマシン」「中から見た最近の大学」
講 師:前島 正義 氏(名古屋大学 生命農学研究科 細胞ダイナミクス研究室 教授)
内 容:
  ゲノムとはある生物が持っている全遺伝子情報のこと。情報のフルセットであり親から子へ受け継がれていく。DNAは遺伝子情報を記録している細長いひも状の化学物質。ヒトのDNAの長さは1.7メートル。細胞の一つ一つに1.7メートルのDNAが含まれている。それが30億個ある。総延長は想像がつかないほど長い。ヒトとチンパンジーのゲノム配列はどれほど違うか、ゲノム全体をサンプリング調査するとたったの1.2%の違い。特定の大きな差を持つ遺伝子でも13.3%の違い。ほとんど一緒か。ゲノム解析により遺伝子治療が可能となる。その目的は、スーパーマンを作る事ではない。疾患原因となる遺伝子異常変化をスタンダードな状態に戻すことにある。
  細胞内にはナノメートル単位(1ミリメートルの百万分の一)で測定される小ささの蛋白質集合体がある。これが、エネルギーを用いた物質輸送や化学反応の触媒など、見かけ上工学機械に相当する機能を有している。これをナノマシンと呼ぶ。人間には10万種類くらい、植物には1万5千種くらいある。分子装置と呼べる。細胞膜を挟んで色々な分子(糖,アミノ酸,イオンなど)を運ぶ。赤血球膜や腎臓細胞膜にある水チャンネルは毎秒30億 の水分子を超スピードで透過させる。細胞内のエネルギーのほとんどはATPという物質で供給される。成人男子は一日に約60キロのATPを合成・分解する。相撲力士が使う筋肉ではATPは解糖で高速供給される。但し、グリコーゲン量の制約で最大の仕事をすると1分程度しか持続しない。だから1分以内に勝負をつけなければならない。
(文責:NS)

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2003年10月例会

日 時:10月15日 19:00〜21:00
場 所:大名古屋ビル8階 IC Nagoya
テーマ:「最近の韓国事情及び、ISOの日本と韓国の活用実体」
講 師:川瀬 富生 氏(JRCA登録(ISO)審査員、中部品質管理協会講師、もの造り・QMS構築コンサルタント)
内 容:
  数日前に韓国から帰られた川瀬氏より、ソウル近郊の貿易都市・仁川(インチョン)周辺の最新事情についてお話頂きました。
  共同住宅は大小に関係なくアパートと呼び、近年高層化が著しく、20階建てが標準となってきている。仁川国際空港の辺りは香港空港のごとくに高層アパートが林立してきている。80倍もの競争率の抽選に当選して手付けを打ち、約3年後に入居。7千万円程度のアパートは2〜3ヶ月後に1億円で売買されて主婦の投機対象ともなっている。台所にはキムチ専用の冷蔵庫が取り付けられており、臭いの出る料理専用室が設けられることもある。
  男女問わず好まれている料理に『犬汁』という肉をちぎって食べる犬料理がある。以前は店が表通りにあったが最近は奥へと移り、目立たなくなった。
  家庭におけるIT化は、住居が戸建より、アパート住まいが好まれているため普及が日本より早かった。一般家庭には2台以上のパソコンがあり、老人から子供までパソコン通信をしている。
  駐車場の整備が遅れていて、路上駐車が当たり前の社会。地下駐車場があっても女性は入りたがらない。レッカー車が緊急車両のサイレンを鳴らして走り回っている。
  韓国企業は活気がある。現代自動車はトヨタ、日産、本田の次のポストを狙っている。普通車:200万円、高級車:5〜600万円。黒塗車が好まれる。ガソリン:120〜130円/L。売上げでソニーを抜いたサムスンには労働組合が無く、世界中から人材を集めている。TV工場には松下電器OBが多数いる。製品の品質は日本に及ばないがデザインで勝負してきている。何千人もの社員をアメリカ留学させてデザインの勉強をさせている。
  海外進出が盛ん。中国へは日本よりも多くの人が進出、ロシア国境付近には朝鮮民族の居住地域がある。アメリカの八百屋は韓国人が多い。最近の移民はカナダに人気がある。
  韓国人にとって日本人は好きでも嫌いでもない国民として見られているが、豊臣秀吉・加藤清正は嫌われている。日本の歌。漫画に関心がある。
  土日の郊外へ向かう車は家族連れが多い。キリスト教信者が多く日曜には家族揃って教会へ行く。血縁・地縁・学閥を大切にして、家族ぐるみのつきあいをする。10組の家族が年に2回交流するようなケースもある。
  その他の韓国の様子に交えて北朝鮮が経営していると言われるホテルの話。又、ISOに似た情報管理システム『ISMS』についての話が、21時を少し越えるまで続きました。
(文責:TS)

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2003年11月例会

日 時:11月19日 19:00〜21:00
場 所:大名古屋ビル8階 IC Nagoya
テーマ:「中部電力のITサービスの意欲的取り組み」
     (携帯電話を使った生活情報提供サービス「ポケッチュ」他)
講 師:川村 信之、世古 幸弥 両氏(中部電力 IT本部情報通信事業戦略)
内 容:
  中部電力のIT本部で情報通信事業戦略を担当する川村、世古両氏より、中部地域でのIT最新ビジネス事情と意欲的な情報サービスについて具体的にお話しいただきました。

(1)IT最新ビジネス事情
  情報通信事業分野は、インターネットに代表されるIP技術の進展により通信、情報、放送の垣根が無くなりそれらを融合した新たな事業・サービスが創造される環境となり激変のうねりの中にある。代表的なインターネットサービスをとれば、ブロードバンドアクセス加入者は、従来のCATVを凌駕する形でADSLが急伸しさらに光ファイバーを使ったファイバー・ツー・ザ・ホーム(FTTH)サービスが時代の中心へと躍り出てきた。今では1300万件の家庭で常時接続型のインターネットサービスが使われるまでになっている。市場では、こういったインターネット系のネットワークサービスを利用して各種行政手続きサービス、物品購入サービス(e-コマース)、教育(e-ラーニング)サービス、オンラインコンテンツ等が利用されるようになりその市場規模も大きく成長している。中部電力では、こうしたサービスを支える事業としてCATV、データセンター、電子認証、コンテンツ配信、FTTH事業等を地域の皆さんのお役にたてるべく推進している。

(2)意欲的な情報サービス(携帯電話を使った生活情報提供サービス「ポケッチュ」)
  地域の特性を生かして中部電力は、全国で8000万台にまで普及した携帯電話を使った生活情報提供サービス「ポケッチュ」を、先月開始した。生活人口の大半の人が保有し個人を特定でき、確実に伝えたい情報を送ることができる携帯電話は、強力な武器で地域の商店、飲食店、美容院等といったお客への有効な広告ツールを求める人たちになりかわって、情報を利用者・消費者に送るサービスである。今月からは、地下鉄全車両を借り切った全面広告や雑誌・チラシ等のメデイアへの宣伝につとめ利用会員を集めている。3年で10万人を集め地域のN0.1のメデイアに育てたいと考えている。

(雑感)
  電力のようなハードのイメージの強い会社の、ソフトな事業で今後が期待される事業との印象。講演後の2次会でも、こういった携帯電話のツールを使って「語学学校」、「住宅建設会社」のPRや、「美術館・博物館」の最新行事、催し案内等に使えるのではないかといった具体的ビジネスの花が咲いた。
(文責:NK)

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2003年12月例会

日 時:12月3日 19:00〜21:00
場 所:大名古屋ビル3階 IC Nagoya
内 容:情報交換市
  忘年会を兼ねて、会員が持ち寄った情報を交換する情報交換市を行いました。

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